金型上に並んだ製品形状の投影面積の計算は、3DCADで行うと簡単ですよというお話です。
- 図面を物差しで測って、手計算ではかなり不正確
- 2次元CADでもできるが、図形を作るのが超めんど~
- 3次元CADなら、モデルから細かい調整なしに計算可能!
- 運良く樹脂流動解析システムがお近くにあるなら、さらに正確です
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2次元CADでもできますが・・・
樹脂成形金型を設計する時や成形機を選ぶときに、金型にかかる圧力(型締め力)を計算するために投影面積を計算しますよね。
図面の数字からざっくりで計算するのもあまりにも不正確です。
2次元CADでもできるのですが、輪郭図形から閉じた形状を取り出す必要があります。
単純な形状の成形品だったらよいのですが、複雑な形状の場合は大変です。
特に3Dモデルから作られた2D図形の場合は、輪郭が非常に細かい線に分割されていて、なかなか閉じた図形にできません。0.01mm隙間が空いていたりします。
これをちまちま修正していくのが、結構面倒な作業となります。
3次元CADでサクッと計算しましょう
手元の3DCADがNXしかないので、これでの手順を説明します。
おそらく、他のCADでも似たような機能はあるだろうと思います。
1.3Dモデルを読み込む
2.Moldplannerの中の”ソリッドチェック”を起動
3.モデルを選択し、実行
→モデル表面がキャビ側とコア側に色分けされる(青色は垂直面)
4.Moldplannerの”計測ツール”を起動
5.”投影面積”を選択
※簡易のチェックは、絶対に外さないでください。
外すと、計算にかなり時間がかかります。
6.クラス選択で、オレンジ色のフェースのみを選択
7.計算結果が出ました
2617.706713が結果で、単位はmm2となります。
8.樹脂によりますが、400kgf/cm2(約40MPa)とすると
(2617.76713/100)x400=10471kgf=10.471トンとなります。
どうでしょうか。15トンの成形機ならば、載せても問題なさそうですね。
もっと正確に計算したいなら、流動解析です。
『時間が掛かってもよいから、もっと正確に圧力を知りたい』ということであれば、樹脂流動解析で計算されることをお勧めします。
Moldflow、Moldex3D、3D-TIMONの有名どころや、CADのSOLIDWORKSに統合されたものなどいろいろあります。
非常に高価なので、圧力計算のためだけに買うのは無理がありますね。お近くにお持ちのところがありましたら、頼んでみてください。
以上、参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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